山田ズーニ―さんの「言葉のおすそ分け」に想うこと

私が尊敬してやまない山田ズーニ―さんが
連載されている「ほぼ日イトイ新聞ーおとなの小論文教室」。
とびきり素敵なコラムがありましたので、ぜひご紹介させてくださいね💛

**********

言葉のおすそ分け

だれかが、だれかを大事に想い、
繰り出した言葉に愛情がこもる。

ぐうぜん、そんな言葉に出くわしてしまったら、

自分はまったくの第三者で、
自分に言われたわけではないのに、

言葉にこもった愛情を、
「おすそ分け」のようにいただいてしまう。

じーん、としたり、
ほっこりしたり、
生きるチカラがわいてきたり。

だから、

日々、だれかのことを大事に想って、
丁寧に、愛をこめて、
言葉を繰り出す人のそばで、生活できるなら、

おすそ分けの愛情だけでほっこり生きられる。

逆に、

日々、だれかを見下し、嫌い、疎外する人の言葉を
そばで聞いて過ごすのは、

自分に言われているわけでなくても、
たとえ自分だけ大事にされていたとしても、
とばっちりみたいに嫌悪やさげすみが、おすそ分けされて、
自分まで殺伐と、目にする世界もサツバツとしてくる。

どんな言葉にまみれて生きるか、
どんな言葉が飛び交う場所を選択して生きるか。

「あなたはどんな言葉にまみれて生きていますか?」

言葉は想いの乗り物だ。

目には見えない想いを形にし、
相手に届けるために、
人は言葉という道具を編み出した。

初心者でも、
どんなに想いを言葉にしてこなかった人でも、

段階を追って自分の言いたいことを引き出し、
相手を理解する具体的なアプローチを重ね、
相手側から自分を見て、考え抜いて、
メッセージを書き上げると、

言葉に想いが宿る。

私の表現講座でも、

そうして生徒さん全員が、
大切な人に想いを伝える文章を書き上げることができる。

おかあさんが子を思う文章は、
やっぱり愛情深いなあ、と思って聞いていると、

おとうさんが子を思う文章も深く、優しく、
家族の愛情にまさるものはない、と思って聞いていたら、

会社で先輩が後輩を思う気持ちもぐっとくるし、
友人を思う気持ちも、
恩師を思う気持ちも、

やっぱりだれかがだれかを想う言葉は、
かけがえなく素晴らしい。

そうして生徒さんがだれかを想うメッセージを朗読するのを
1人、また1人‥‥と聞いているうちに、
どうしようもなく満たされていく自分がいる。

いくら、「自分に向けられた言葉ではない」
と自分に言い聞かせ、頭は理解しても、
心は勝手に愛を受け取って、勝手にほっこりしている。

何十人と、生徒さんの朗読を聞いた後は、
帰り道の風景まで違って見え、
いつになく愛おしく、いつになく優しいまなざしの
自分がいる。

「言葉は想いを届ける対象を限定できない。」

いったん「これだ!」という言葉が見つかって
想いを乗っけてしまったらさいご、
言葉は対象を選ばず、だれかれおかまいなしに、
その想いをまき散らしてしまう。

これが言葉の長所でもあり、欠点でもある。

「これは私の子供にだけに贈る愛の言葉だから、
聞いた人、読んだ人、反応しないでよ」

ということが言葉にはできない。

言葉を耳にした人、目にした人、
やっぱり愛をおすそ分けされてしまうし、
言葉にならないあたたかいもので満たされていく。

小さい子供を育てている友人の家に行って
とくに友人と何を話したとか、
何を伝え合ったわけでもないのに、

帰る道々、自分がほっこりしていることがある。

友人が、子供を想ってかける言葉のはしばしに、
愛があり、それが私にもおすそ分けされてしまったんだ、
と考えると、がてんがいく。

逆に、

これまで表現教育を通して、
老若男女のたくさんの生徒さんの文章に、

「両親の喧嘩がつらい」
「母親がおばあちゃんと、嫁と姑の争いをするのが
耐えられなかった」

というようなうったえを数多く見てきた。

それらの中には、
「両親の仲は悪くても、父も母も自分には優しかった」とか
「嫁と姑の争いはしても、私は大切に育てられた」とか
いう人もいて、にもかかわらず耐え難かったという。

対象を限定できない言葉の性質を考えると無理もない。

夫婦喧嘩のつもりで繰り出した言葉が、
関係のない子供に憎しみの想いをおすそ分けしてしまう。

嫁にだけ、姑にだけ、
チクッと刺したつもりの毒の言葉が、
ほかの家族をことごとく刺して、心を乱してしまう。

多数の人に向かって話しかけているときに、

ある人々だけ褒めて、
別の人々だけけなす、

ということはできそうなんだけれど、
実際、頭で考えたらできるし、そうなんだけど、

言葉は想いの乗り物と考えると、

いい想いも、黒ずんだ嫌な想いも、
結局、いっしょくたに、その場にいる人に
ごちゃまぜで届けただけ、
ということもあるのかもしれない。

生徒さんが読み上げる大切な人を想う文章は、

おすそ分けされている私も、
このことばだけでもしばらく生きていける
とおもうくらい愛のパワーがある。

人が愛が無いと生きられないとしても、
どんなに愛に干されて生きている時期の人がいたとしても、

こういうだれかがだれかを想う言葉のおすそ分けで、
愛の小腹を満たして、どうにかこうにか、
食いつないでいけるんじゃないか、と希望がある。

言葉は、たしかに人の想いを運ぶし、

言葉以上の想いを乗せることができるし、

受け取る人も、
字面にしたらほんのわずかな言葉に、
言葉以上の、言葉にならない想いを受け取ることができる。

これは本当だ。

だから、私たちは、生きる環境として、
「どんな言葉が行き交う場所か」を選んでいいのだと思う。

愛や、創意や、ときめきの言葉が
飛び交う場所に行きたいし、

憎悪や攻撃の言葉から逃れたい。

でも、それよりも私が住みたくないのは、
言葉になんの想いも乗っていない場所。

ペラペラの記号のような言葉が行き交う場所だ。

自分の発する言葉もまた、
おすそ分けを配っていく、
環境をつくっていく、
そう考えて表現して行こうと思う。

「あなたはどんな想いを言葉に乗せて話していますか?」

*********

読んだあと、ココロにじんわり広がる
あたたかい想い。

その言葉だけで、しばらく生きていけるという感覚
とてもよくわかります(-_^*)💕

毎日、誰かのことを思い
丁寧に言葉を紡いでいくこと。
その言葉が、周りにいる人たちをも
ほっこりさせることができるのなら
こんな幸せなことはないと思います。
でもその言葉を発する自分が
きっといちばんほっこりするんですよね。

日ごろ何気なく使っている言葉にも
”その人”はあらわれるのだから…
愛のある、あたたかい言葉を
選んで使っていきたいと思うのです💖






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# by robetissage | 2017-11-07 23:16 | 日々のこと | Comments(4)

引き算の美学について考えたこと

もともと欲張りな私。
あれもやりたい、これも観たい…
時間もお金も足りない!笑

でも、何とかやりくりして
やりたいことや観たいものを確保できて
ラッキー💖
だけど、もう少し落ち着いて
余裕のある生活をしたいなぁと。

NHKの『鶴瓶の家族に乾杯』を観ていたら
滋賀県彦根市をたずねた俳優の菅田将暉くんが
ひょんなことから出会ったある画家さんの作品に惹かれ
アトリエを訪ねたシーンがとても興味深くて。

その方の作品は、たとえば梅の花だったら、
実際の背景だったり壺だったりがあるはずだけど
あえてそれは要らないと、引き算の考えで引いて
キャンバスに対象物だけが浮かんでいるような作品。
余白の部分を大きくとるのが好きだと
背景は普通はありえないようなダークな色彩で。
共感した菅田くんの言葉がとても腑に落ちました。

「引くのって勇気がいるじゃないですか。
足すのって安心するじゃないですか」と。

私を魅了するたくさんの誘惑から
これ!っていうものだけを選んで
大切に味わうように
ココロの断捨離も必要だなと思っていたところの
この言葉。

菅田くん自身も、蜷川幸雄さんの舞台で
とにかくパワー全開で演技していたところ
観てて疲れると言われたのだそう。
パワフルでいくところ以外は、あえて引いてみると
評判が倍ほどに上がったのだとか!


あれもこれもを卒業して
いつのまにか抱え込んでいる
いろいろなものを引き算していって
余白を楽しめるようになりたいです。



















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# by robetissage | 2017-10-21 23:52 | 日々のこと | Comments(6)

【連載更新のお知らせ💖】今回は中村中さんと『髑髏城の七人Season風』のレポを!

雨が続いていますね💦
肌寒かったり蒸し暑かったり…
体調管理が難しいこのごろ。
台風も発生しているとか!?
週末の天気が心配です。

さて、webサイト・YUMECO RECORDSさんの連載
「虹のカケラがつながるとき」
更新のお知らせです。

第7回目は「想いを伝えるということ」

先日、こちらでもご紹介した
シンガーソングライター・中村中さんのライブと
現在、東京・豊洲で絶賛上演中の劇団☆新感線の舞台
『髑髏城の七人 Season風』を観劇した
私のアツい1日の様子を(^_-)-☆

よかったら読んでいただけると嬉しいです♬



「髑髏城の七人 Season風」かっこいいです✨





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# by robetissage | 2017-10-19 23:30 | 日々のこと | Comments(0)

藤井聡太四段の魅力に迫る「天才棋士 15歳の苦闘 独占密着 藤井聡太」

昨日放送されたNHKスペシャル
「天才棋士 15歳の苦闘 独占密着 藤井聡太」が
とてもおもしろかった!

これは藤井聡太四段の、1年の記録。
幼少期の藤井少年の様子から、どのように将棋へ取り組んできたか、
2016年12月のプロデビュー戦から連勝の快進撃、敗戦、
そして現在に至るまでを追ったドキュメンタリー。

中学校では、将棋の話はいっさいしないのだという。
クラスメイトからは、
将棋をやっていると凛々しいけど学校では全然違うと
真面目だけど面白いとか、かっこいいと言われていて、
なんだかほっとしました。
将棋という大人の世界に身を置いている彼に
こんな仲間がいるということに。

将棋は5歳のときに祖父母から教わったのがきっかけ。
すぐに夢中になった藤井少年は「将棋が指したい」と言い続け
おじいちゃんが老人クラブに連れて行ったものの
子どもはダメだと断られたことから
そこへ行きたい藤井少年は言ったそうです。
「早くおじいちゃんになりたい!」って(≧▽≦)
微笑ましくて笑ってしまいました。

番組では、5歳の冬から通い始めた将棋教室の
目隠し詰め将棋というユニークな練習方法を紹介。
詰め将棋の答えはたった一つ。
頭のなかだけで盤面をイメージさせて
王を追い詰める道筋を考えさせるという。
だんだん慣れてくると自然と頭のなかで駒が動き
子どもたちは、あぁ、そういうことかと納得して
黙々と行うのだそうです。
また、大会の直前になると必ず観る映画
ブルース・リーの「燃えよドラゴン」。
将棋は頭脳の格闘技なのだと、絶体絶命の状況でも戦い続けること。
勝負の気迫を持っているほうが勝ちにいけることを
教えているというのもとても感心しました。

400年にひとりの天才と呼ばれる藤井四段。
通常、プロ棋士は数十手先を読むらしいのですが
(私にとっては、それさえもすごいことだと思うけど)
彼は他の棋士が考えもしない指し手まで短時間で読み、
その読みの深さに、大人たちも驚愕するのだそうです。
すごい手が出た!と。

天才棋士と呼ばれた彼の、“15歳の苦闘”というタイトルに
改めて、それはそれは大変だったんだろうなぁと。
連勝へのプレッシャーはないと語ってはいたけれど
連勝が止まったとき、ミスをした時の苛立ちや
その重圧は私たちには計り知れない。
結果を気にするあまり自分の将棋を信じられなくなり
そこから、また平常心で建て直してきた彼はさすがだと思ったし、
この番組を見て、彼を取り巻く大人たちが
彼のことを語る何とも言えない嬉しそうな顔が印象的でした。

まだ15歳にして、すごい15歳。
強さだけではない、なぜか応援したくなる何かを
彼は持っている。
それが、何かをこの番組を見ていてわかったような気がしました。
普段はごくごく普通の中学生、
愛すべき藤井少年の素顔を垣間見ることもできます。

再放送もあるそうです。
2017年10月12日(木)午前1時00分~1時50分←11日深夜

ぜひぜひ、ご覧いただきたい番組です(^_-)-☆















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# by robetissage | 2017-10-09 23:42 | テレビ | Comments(2)

雨の銀座で中村中さんのミニライブ🎵

東京滞在から戻り
楽しくて濃密な日々をじわりじわりとかみしめ
思い出しています。

今日は、17日台風の影響で雨のなか
YAMAHA銀座店で行われた
シンガーソングライターの
中村 中(なかむら あたる)さんのミニコンサートのことを。

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銀座の大通りに面した1Fのホールには
開演前1時間以上前から大勢のファンで溢れていました。
早い方はどのくらい前からいらっしゃったんだろう。

初めてこちらで中さんがイベントを行われたのは
デビュー当時だったとか(違っていたらごめんなさいm(__)m)。
その後、このYAMAHAの立派なビルに改装後とこの日で3回目。

その時の様子がYAMAHA銀座店さんのHPに掲載されていました。



6月に発売された「ベター・ハーフ」の発売記念ライブ。
シフォンの素敵なワンピースを纏った中さん。
「サン・トワ・マミー」や森田童子さんの曲など…
約30分ということだったけれど、
中さんがお店の方に、「もう1曲いい?2曲?」みたいな感じで
アイコンタクトを取りながら、心を込めて歌ってくださいました。
全身全霊でピアノを弾き、言葉をメロディーにのせる。
その澄んだ歌声と美しさに、道行く外国人たちも足を止め聴き入り
中さんの歌が終わると、外からも大歓声と拍手の嵐!
私も「友達の詩」では素っ晴らしくって感極まってナミダ💦
思わず中さんに抱きつきたくなったほど(^^ゞ

終演後のサイン会&握手会では
美しすぎる中さんを前に
息も絶え絶え、倒れそうな私。
目ヂカラのすごさと
握られた手の力強さ✨
まるで中さんのみなぎるパワーを分けてもらえたような
本当に夢のようなひとときでした(*˘︶˘*).。.:*♡


いただいた資料によると「ベター・ハーフ」とは
身も心もぴたりと相性が合うパートナーのこと。
天国でひとつだった魂が、現世に生まれる時に
男性と女性(あるいは男性と男性、女性と女性など) 
二つに分かれて別々に生まれてくる。
その自分のかたわれを探し求める、
そんな意味があるのだそうです。

中さんにいただいたサイン✨

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このアルバムも素晴らしいのです。
一番好きなのは、中さん自身の曲「愛されたい」。
この日はピアノでの弾き語りでしたが、
真壁陽平さんのギターが
とんでもないくらいぶっ飛んでいてかっこいい(≧▽≦)
機会があればぜひ聴いていただきたい名曲です!

「友達の詩」もきっと永遠に歌い継がれる曲。
心にしみます。















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# by robetissage | 2017-09-26 23:39 | 音楽 | Comments(0)

校正士ときどき物書きをやってます。日本語の美しくて奥深いコトバを紡ぐ人でありたい。斉藤和義さんやGRAPEVINE、お馬さんが好き★


by shino